当社は、買い手企業が入力するM&Aニーズ登録画面に、Microsoft社が提供するAzure OpenAI Service の「Embeddings API」を活用した新機能をリリースしました。これによりM&Aしたい事業領域のキーワードを検索窓に入力するだけで、関連する周辺キーワードを自動で抽出可能となります。本件は「Generative AI活用プロジェクト」の第3弾の発表です。
■M&Aニーズ登録画面への「Embeddings API」活用の背景
今回リリースしたAI機能は、M&Aを検討している企業が、求める企業の事業領域や条件などのニーズを登録する画面に搭載されました。これまでの入力画面は「建設」「物流」「情報サービス」などの大項目の事業領域にチェックをする選択式であったため、より詳細なニーズ把握のために担当者が別途お客様にヒアリングを行っていました。
今回開発した新機能は、「水産」「農業」といった抽象的なキーワードを入力することで、関連する1,000件以上のキーワードが自動で選択肢として抽出されます。これにより、より詳細なニーズの把握が可能となるだけではなく、忙しい経営者や担当者の方の手間を削減することができます。
■新機能の技術的概要
今回開発した新機能は、Microsoft社の提供するAzure OpenAI Service の「Embeddings API」を活用しています。
Embeddings API は、他の Azure OpenAI Service の APIよりも高いレスポンス速度が特徴です。M&Aニーズの入力画面は、M&A以外の業務等でも忙しい担当者様向けの機能であるため、キーワード選択機能においてもレスポンス速度を重視しました。
検索対象となる1,000件以上のキーワードは、あらかじめ Embeddings API を用いてベクトル化しております。その後、ユーザーが入力したキーワードだけをリアルタイムでベクトル化し、あらかじめ計算したベクトルとのコサイン類似度を計算し、対象キーワードをコサイン類似度の高い順に並び替えて、上位30件を抽出することで”あいまい検索”を実現しています。
■M&Aニーズ登録画面の様子
①検索窓にキーワードを入力する
➁抽出された周辺キーワードから興味のあるワードを選択する
■「GenerativeAI活用プロジェクト」とは
当社は、2023年3月の「GenerativeAI活用プロジェクト」発表後、過去2回に渡り生成AI活用サービスについて発表しました。今回はプロジェクト第3弾です。今後も生成AIの活用で、プラットフォームやアドバイザリー業務に関わる業務の効率化やマッチング精度の向上を推進してまいります。
<過去の発表実績>
・第1弾 売り手企業の会社情報を自動入力する機能(2023年8月発表)
・第2弾 買収ニーズにマッチするおすすめ売却案件情報をお知らせする「AIおすすめ機能」(2023年12月発表)