当社は、9月よりスタートアップM&Aに特化した新アドバイザリーチーム「StartupM&A Advisory」を立ち上げ、ブランドサイトを公開しました。近年、急速にニーズが高まるスタートアップM&Aのアドバイザリー支援を一層強化してまいります。
◆「StartupM&A Advisory」ブランドサイト
■「StartupM&A Advisory」チームの概要
「StartupM&A Advisory」は、スタートアップが関係するM&Aに特化したアドバイザリーチームであり、2021年に発足した当社のM&Aアドバイザリー事業部「M&A Cloud Advisory Partners(以下、「MACAP」)」における初めての専門チームです。
M&Aアドバイザリー事業部「M&A Cloud Advisory Partners」
【特徴】
①著名なスタートアップM&Aの実績
スイングバイIPOを目指すスタートアップの子会社化や、スタートアップ企業による老舗企業の買収など、スタートアップが関係する大型のM&Aを支援してきた実績があり、独自のノウハウを蓄積しています。(※実績は下記参照)
➁スタートアップへの深い理解
当社自身が“スタートアップ”であるからこそ、スタートアップ特有の事情やニーズを深く理解し、企業の成長ステージに応じた最適なM&A戦略を提案します。
③M&Aに精通する専門家がサポート
投資銀行や大手M&A仲介出身者、会計士など、M&Aに精通したプロフェッショナルで組成された専門チームです。スタートアップ企業の成長ステージに併せた理想的な成長戦略に伴走します。
④豊富な買い手ネットワーク
上場しているIT企業の35%が利用するM&Aマッチングプラットフォーム「M&Aクラウド」の運営を通じて、豊富な買い手ネットワークを有しており、理想的なパートナーとのマッチングを支援します。
■設立の背景
2022年11月の「スタートアップ育成5か年計画」の閣議決定により、2023年4月には「オープンイノベーション促進税制M&A型」が施行され、国策によってスタートアップのM&Aが推進されています。M&Aを通じたイグジットを促進し、スタートアップの成長の幅を広げようとしている他、大企業によるスタートアップのM&Aが推進することで日本全体の産業競争力を高める狙いがあります。(*1)
目下、スタートアップに出資をするベンチャーキャピタル(VC)のうち、2024年に新たに償還期限を迎えるファンドは50件程度で(*2)、イグジットを迎える可能性があるスタートアップは数百件にのぼると想定されます。イグジットの一つの手段であるIPO件数は、過去10年横這いで続く一方、2023年のスタートアップM&A件数は過去最高の123件(*3)を記録し、2024年上半期のM&A件数も過去最高ペースで推移しており、当社におけるスタートアップ売り手企業とのアドバイザリー契約数も、2023年は対前年比144%と大幅に増加していることから、さらなるニーズの高まりを見込んでおります。
スタートアップM&Aは、一般的な事業承継M&Aと比較し、適切な企業価値の算出の難しさ(*4)に加え、売り手・買い手・投資家(VC)といった多くの関係者間の調整 (*5)、など、専門的なスキルが求められます。これまでは、MACAP内の複数メンバーがスタートアップM&Aを担当してまいりましたが、専門チームを設置することで情報の集約化やスキルのナレッジ化を促進し、急速に高まるスタートアップM&Aニーズに対応し、スタートアップエコシステムの発展を目指します。
■スタートアップM&A成約実績(一部抜粋)
・スタートアップによる老舗企業のM&A:newmo株式会社 様×株式会社未来都 様
タクシー・ライドシェア事業を展開するnewmo様は、大阪でタクシー事業を展開する未来都様の全発行済株式を取得し、経営権を取得されました。newmo様は2024年2月の創業から半年で、2件目のM&Aの実行となりました。
・同業スタートアップ同士のM&A:株式会社アンドパッド 様×株式会社コンベックス 様
クラウド型建設プロジェクト管理サービスを運営するアンドパッド様は、住宅・不動産業界特化のマーケティングオートメーションツールを運営するコンベックス様の全株式取得およびグループ会社化しました。当社は、本件の発表の後に「SaaS M&A推進事務局」を設置しています。
・ アグリテック関連スタートアップのM&A:クミアイ化学工業株式会社 様 × 株式会社GRA 様
クミアイ化学工業様は、1粒1,000円の高級ブランドイチゴ「ミガキイチゴ」の生産・販売をするアグリテックスタートアップのGRA様を非連結子会社化しました。本件は官民ファンドであるINCJ社のファンド満期を機とした成約です。当社は発表後「VCファンド満期相談窓口」を設置しています。
*「事業スケールを変えるM&Aが必要だ」GRA岩佐代表が語る“農業スタートアップのExit戦略」
・「デュアル・トラック・プロセス」の活用:チェンジ株式会社 様×株式会社DFA Robotics 様
デジタル人材の育成支援や業務プロセスの革新及びデジタル化などを手がけるチェンジ様は、配送配膳ロボットの導入支援や導入オペレーションコンサルティングを提供するDFA Robotics様の株式取得、および子会社化を行いました。本件は当社が2022年に提供を開始した「デュアルトラック・プロセス」(スタートアップのイグジットにおいてM&AとIPOを併走させる手法)を活用した事例であり、また、「スイングバイIPO」(スタートアップが大企業の子会社となってから再度IPOを目指すこと)を前提としたM&A案件です。
*「デュアルトラックでの大型成約!あのネコ型配膳ロボット販売会社の決断を支えたアドバイザーの想い」
・業界大手企業によるスタートアップのM&A:株式会社ヒビノ 様×株式会社Cerevo 様
音響・映像機器の販売・施工、コンサート・イベントの音響・映像サービスなど、多様なマーケットで事業を展開しているヒビノ様は、IoT(コネクテッド)関連の自社製品の開発・製造・販売を主体に、IoT技術の知見を活かした他社製品の受託開発を行うCerevo様の株式を取得し連結子会社化しました。当社は、本件の発表と同時に「IoT M&A推進事務局」を設置しています。
・スタートアップ同士のM&A:dely株式会社 様 × 株式会社ENLOOP 様
レシピ動画プラットフォーム「クラシル」やライフスタイルメディア「TRILL」等を運営するdely様は、国内最大級のライバーマネジメント事務所「LIVEwith」を運営するENLOOP様の株式取得を行いました。本件は、買い手および売り手ともにスタートアップ同士のM&Aです。
■ お問い合わせ先
MACAP「StartupM&A Advisory」
・問い合わせフォーム:https://startupma.macloud.jp/
・メールアドレス:r-zusai@macloud.jp (担当:図斉 宛)
・電話番号:03-6431-8460
(参照)
*1 スタートアップ・ファイナンス研究会「 スタートアップ・ファイナンス研究会とりまとめ」
*2 INITIAL 「Japan Startup Finance 2022]、「Japan Startup Finance 2023」
*3 フォースタートアップス「 【STARTUP DB独自調査】「2023年 年間 国内スタートアップ投資動向レポート」を公開」